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加算される年金とは? 子の加算・配偶者加算について

はじめに
障害年金には、基本となる年金額に加えて「加算制度」が設けられています。これは、障害を抱えながら生活する方の家計を安定させるために、一定の条件を満たす扶養家族(子や配偶者)がいる場合、年金額に上乗せを行う制度です。障害年金は本人の生活を支える役割を担うだけでなく、家族の生活にも直結する大切な収入源です。そのため、この加算制度を正しく理解し、漏れなく申請することが重要となります
本コラムでは、障害年金の「子の加算」と「配偶者加算」の内容について、制度の目的や具体的な加算額、申請時の注意点、さらには児童扶養手当との調整や令和3年の法改正の影響も含めて詳しく解説していきます。
1. 子の加算とは
子の加算は、障害基礎年金または障害厚生年金を受給する方に扶養すべき子がいる場合に、年金額に加算される制度です。対象となるのは以下の条件を満たす子どもです。
- 18歳到達年度の末日(3月31日)までの子
- または20歳未満で、障害等級1級または2級に該当する障害の状態にある子
- 実子、養子、認知された非嫡出子を含む
- 受給者と同一生計、または生計を同じくする子
ここで重要なのは「親権の有無」ではなく、実際に生活を共にしているか、もしくは経済的に扶養しているかどうかです。別居している場合でも、仕送りや生活費の負担があれば対象とされることがあります。
【子の加算額(月額)〈2025年7月現在〉】
| 子の人数 | 加算額(月額) |
| 第1子・第2子 | 各 228,700円(2025年7月現在) |
| 第3子以降 | 各 76,200円(2025年7月現在) |
※第1子・第2子は高額な加算がつきますが、第3子以降は大幅に減額される仕組みです。
加算額は年額に換算すると第1子・第2子で約274万円に上り、家計に与える影響は非常に大きいといえます。
児童扶養手当との関係と令和3年の法改正
障害年金の子の加算と混同されやすいのが「児童扶養手当」です。児童扶養手当は、主にひとり親世帯や養育者がいない子を対象に支給されるもので、障害年金とは別制度ですが、同じ子を対象とするため重複が問題となることがあります。
かつては障害年金の子の加算と児童扶養手当を両方受給できるケースも存在しましたが、令和3年の法改正により調整ルールが強化されました。結果として、現在では以下のような取り扱いが行われています。
- 障害年金の子の加算を受けている場合、その子に対する児童扶養手当は全額支給停止になるケースがある
- 児童扶養手当を受けている状態で障害年金を新規申請した場合、児童扶養手当が減額または停止される可能性がある
- 調整は自動ではなく、受給者の申告や届出に基づいて行われる
そのため、母子家庭・父子家庭の方が障害年金を申請する場合は、児童扶養手当との調整がどうなるかを必ず事前に確認することが重要です。
2. 配偶者加算とは
配偶者加算は、障害厚生年金を受給する方に扶養すべき配偶者がいる場合に支給される制度です。障害基礎年金には配偶者加算はありませんので注意が必要です。
対象となるのは以下の条件を満たす配偶者です。
- 65歳未満であること
- 受給者と同一生計にあること
- 婚姻関係(事実婚を含む)が認められること
- 老齢基礎年金を受給していないこと
【配偶者加算額(月額)〈2025年7月現在〉】
| 配偶者の条件 | 加算額(月額) |
| 65歳未満の配偶者がいる場合 | 18,500円(2025年7月現在) |
実務での注意点
配偶者加算は子の加算ほど大きな額ではありませんが、年額で20万円強に相当し、家計の補填として重要な役割を果たします。
3. 加算申請における共通の注意点
子の加算・配偶者加算のいずれも、生計維持関係の証明が重要です。住民票の世帯構成、健康保険証、預金通帳の送金記録、公共料金の支払い記録などが証明資料として活用されます。
加算対象から外れるタイミングとしては、子が18歳到達年度の末日を迎えた場合、配偶者が65歳に達した場合、あるいは同一生計関係が失われた場合などが挙げられます。変更時には速やかに届出を行わなければ、過払いによる返還を求められるリスクがあります。
まとめ
障害年金の「子の加算」「配偶者加算」は、扶養家族がいる方にとって欠かせない支援制度です。特に子の加算は児童扶養手当との関係や令和3年の法改正により複雑化しているため、事前の確認が欠かせません。
配偶者加算についても、対象外と誤解されやすいケースがあるため注意が必要です。制度は将来的に見直される可能性もあるため、常に最新の情報を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。





